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「依子がROCK!」特別企画
喜劇・駅前レコード店

 Paititi Recordsへいらっしゃいませ!

テーマソングは、"Mister Jung Stuffed" by MAN MANです!


第5回 「ペット・サウンズ」

画伯 「どうしたのヨーリー、ため息なんかついたりなんかしちゃったりしてぇ」

ヨーリー 「今年も夏が過ぎてゆくのよ〜」

画伯 「ほんとだねぇ。ハァ〜ッ」

ファルコン 「あれ、画伯でもため息つくこと、あるんですか?」

画伯 「あるよ〜。ほら、オレ、この店の経営やっててさ」

ヨーリー&薫さん  「おぉっ」

画伯 「休み時間なんかになるとさ、大丈夫かな?って心配になるわけよ」

ファルコン 「うちの店って、そんなにヤバイんですか?」

画伯 「うちの店じゃないよ!角のカレー屋だよ!
あそこ、最近客入ってないじゃん。
あれがつぶれたら、オレ、どこで昼飯食えばいいんだよ!」

ヨーリー 「好きなとこで好きなもん食べればいいでしょ!」

画伯 「浦和にいい店ができたんだけどね」

ヨーリー  「どこまで行く気よ!あ〜もう、こんなクレイジーなやつらと一緒に、
アタシの夏は終わっちゃうの?」

薫さん 「あ、猫だ。最近あの猫、このへんに住み着いてんだよな」

猫 「ぁにゃーん、ぉにゃーん」

ヨーリー 「なに?へぇ〜、この子いいこと言うじゃん!」

ファルコン 「ヨーリーは猫語がわかるんだよね」

薫さん 「なんて言ってんの?」

ヨーリー 「パイレコでイベントやったらどうか、だって」

画伯  「あのね、猫になにがわかるの!言ってやって言ってやって」

ヨーリー  「みゃ、みゃ、ゴロゴロにゃーん」

猫  「NO 鰹節、NO LIFE!」

薫さん 「いま、はっきりとNO 鰹節、NO LIFE!って言ったよな!」

ヨーリー 「ちがうの、今のはね、自分は大手のCD屋を渡り歩いてきた猫だぜっ!ですって」

ファルコン 「猫のカリスマレコード屋だ」

猫 「ぁにゃーん、にゃにゃにゃ、ぐるる、ふわぁぁっ(アクビ)」

ヨーリー 「スタッフで、客寄せに出し物をしなさい、ですって」

画伯 「出し物?みんなで芝居でもすんの?」

ヨーリー 「やーよ、アタシ芝居なんてやりたくない。
そうじゃなくて、ライヴやんなさい、って」

画伯 「バンド組むの?ファルコン、なんか弾ける?」

ファルコン 「だ、だめですよ、なんにも弾けない」

薫さん 「オレはリズム感ゼロ」

画伯 「俺もダメだよ〜、ヨーリーは?」

ヨーリー 「アタシはおもちゃのピアノすら弾いたことない」

薫さん 「だいいち、楽器がないよ」

猫 「にゃ!」

ヨーリー 「あ、猫がファルコンの足を引っ張ってどこかへ…」

画伯 「てか、なんかうれしそう、ファルコン」

ファルコンの声 「わあ〜っ!」

(全員、声のするオフィスへ)

みんな 「どうした…うわあっ!」

ヨーリー 「掃除用具のほうきがウクレレに!」

画伯 「バケツがドラム・セットに!」

薫さん 「モップがベースに!」

(酒屋さんがドアを開けて登場)

酒屋さん 「ちょちょ、ちょっと、たいへんですよ、店が、」

(全員、店にもどると、ステージができている)

ヨーリー 「なにこれ!お客さんも待ってるよ!」

猫 「にゃんでもいいから、やりたい曲の名前を言って!」

画伯 「えぇ? じゃ、キング・クリムゾンの『21世紀のスキゾイドマン』、なんてね!」

ファルコン 「あっ、手が勝手にギターを!」

ヨーリー 「♪Cat's foot, Iron claw …なんでアタシ歌えるの?」

酒屋さん 「しかもイコライザーかかってますよ!」

ヨーリー 「あんたもこっち来なさい!はいこの口琴」

酒屋さん 「ビヨ〜ン」

 ♪21st century schizoid ビヨ〜ン

薫さん 「だれか、お客さんの中にサックス吹けるかたはいませんか!」

サックス吹き、吹きながらステージへ登場。

ヨーリー 「キャ〜ッ、最高だよ〜!ぶっ飛んで行くよ!」

猫 「にゃ!」

すると突然、轟音と共に、パイレコの店舗が地上からゆっくり持ち上がり、
噴煙をあげて、離陸しました!

薫さん 「飛んでる!」

画伯 「フライング・サーカスだ!」

薫さん「フライング・リザーズだ!」

ヨーリー 「も〜〜このまま歌っちゃうよ!
カモーン、パヤッパヤーズ!→http://jp.youtube.com/watch?v=rJLBSDfg5_s

(その頃、地上では…)

群集 「なんだ、あれは!」
「鳥だ!」
「飛行機だ!」
「レコード屋だっ!」

青空に、白い飛行機雲で、

Paititi Records Love You

と書かれて、

 fin

★パイティティから聞こえる音楽!

"Pet Sounds" by The Beach Boys

 
リーダーのブライアン・ウィルソンが、バンドのツアー同行を拒否して、
名うてのスタジオ・ミュージシャン(キャロル・ケイやハル・ブレイン)らと共に
作り上げた、美しくも儚い、永遠不滅のポップ・ワールド。

壊れ物のような繊細さの中で、ポップスの明朗な肝が、
心をひと回りして哀しく響いたり。
ティンパニやフルート、それにテルミンや自転車のベルが織り成す
音のタペストリーにうっとりしたり。

この音楽が鳴っているあいだ、あなたの時間は止まってます。
(そこから出てきてからの人生のツケ払いが、大変になっちゃうんだけど!)
つまり、ポップの玉手箱。

パイティティの音との共通点といえば、
3分間のポップのマジックを信じる心と、
ドリーマーの音楽であるという点、でしょうか。

「神のみぞ知る」→http://jp.youtube.com/watch?v=uhZUCuMFPVU&feature=related


今回でひとまず、パイレコの物語はおしまい。 
最後に、おまけ。『アメ・グラ』から→http://jp.youtube.com/watch?v=QRGLjzFHa40

で、エンディングにもう一回、 "Mister Jung Stuffed" by MAN MANをどうぞ。


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