←「洞口日和」Home                  「Hot Club Of Paititi Airlines」Home→


「依子がROCK!」特別企画
喜劇・駅前レコード店

 Paititi Recordsへいらっしゃいませ!

テーマソングは、"Mister Jung Stuffed" by MAN MANです!


第4回 「世界は日の出を待っている」

ヨーリー 「♪あ〜し〜た〜は〜始業式〜♪
あれっ?ファル、おはよう。なんで店の前で待ってんの?」

ファルコン 「鍵持ってる人が来ないんです」

ヨーリー 「店長が遅刻?」

ファルコン 「携帯にかけても出ないし」

ヨーリー 「薫さんは?」

酒屋さん 「ビルの管理人さんに頼んで、合鍵をとりに」

ヨーリー 「あんたはなんでここにいるの?朝っぱらから」

酒屋さん 「ワハハ」

薫さん 「鍵借りてきたよ。あ、ヨーリーおはよう」

ヨーリー 「画伯はなにやってんの?」

薫さん 「ゆうべから携帯つながんないんだよ」

(鍵を開けて、中に入る)

ヨーリー 「ちょっと!電気ついてるよ〜」

ファルコン 「誰かいるんですかね」

ヨーリー 「死体があったりするんじゃないの?
やだよ、アタシ、こういう2時間ドラマみたいなの!」

薫さん 「あっ!」

ファルコン 「画伯!机に突っ伏したまんま気を失ってます!」

ヨーリー 「ちょっとぉ!」

(薫さんとファルコン、画伯を揺する)

ファルコン「だれにやられたんですか!」

画伯 「タ…」

薫さん 「タ?」

画伯 「メ…」

ファルコン 「メ?」

画伯 「…リック…」

酒屋さん 「タ、メ、リック…」

薫さん ファルコン 「ターメリック?」

ヨーリー 「もう!夢の中でカレー食べてんのよ。ちょっと!起きなさい!」

画伯 「…あ、あれ?キーマ頼んだっけ?」

ファルコン 「なにねぼけてんですか、朝ですよ」

画伯 「え!おぉっ!開店じゃないか!鍵開けなきゃ!あれ?」

薫さん 「もうみんな入ってる」

酒屋さん 「みんなじゃないのも、いま〜す」

画伯 「おぉ、前回好評だったからね。フワ〜ァ、おはよう!」

ヨーリー 「おはようじゃないでしょ。説明してよ。泊まり込みでなにやってたの?」

画伯 「ムフフフ〜、じつはね、これを作ってたの、ジャン!」

ファルコン 「なに…あ、スタンプ・カードだ!」

画伯 「ムフフフ!なんかパイレコのスタンプ・カードが欲しいって声があってさ、
夕べ帰り際に思いついたの」

酒屋さん 「なにも店でやらなくても」

画伯 「ほら、ここだとさ、夜通し、大音量で音楽かけれんじゃん」

薫さん 「ないのはカレーだけってか」

ヨーリー 「それで夢の中で食べたのね、呆れた!」

薫さん 「しかしよくできてるなぁ、このカード」

酒屋さん 「なんかギター持ったカップルが、ファーストクラスでくつろいでる」

ヨーリー 「レス・ポールとメリー・フォードね」

ファルコン 「二つ折を開くと…あぁ、飛行機の客席が並んでいて、
ここにスタンプを押してくんだ」

酒屋さん 「おっしゃれ〜」

薫さん 「パイレコは、皆様を音楽の空の旅へご案内します、ってわけか」

ヨーリー 「えらい!画伯はさ、ホントにこういうところは天才なのよ」

ファルコン 「徹夜で作るってのも、尊敬しますよ〜」

薫さん 「早速、今日から使おうよ!」

画伯 「そう来ると思ってさ、ほら、『スタンプ・カード始めました』のポップも!」

ヨーリー 「画伯すごい!見直したわ!」

ファルコン 「あ、開店だ。 オレ、店の中と前にポップ貼りまくってきますよ!」

(一時間後)

画伯 「お買い上げありがとうございました〜!
今日からスタンプ・カード始めたので、1000円お買い上げごとに一個、
今日はサービスでダブルで捺しちゃう!」

お客さん 「わぁ、可愛いスタンプ・カードですね!」

ヨーリー 「はぁい、…あれ?画伯、スタンプはどこなの?」

画伯 「えっ、なにが?」

ヨーリー 「いや、スタンプ。 スタンプ・カードに押すでしょ、スタンプ」

画伯「…あ、そっか。 スタンプ・カードって、スタンプが必要なんだ」

ヨーリー 「呆れた!スタンプもないのにスタンプ・カードだけ作ってたの?」

画伯 「ムフフフ〜これがホントの、押すな押すなの大賑わい!」

ヨーリー 「キーッ!朱肉にしてやる〜!」

酒屋さん 「ワハハハ、きれいな比喩ツッコミ!」

ヨーリー 「あんた、まだいたの?」 

★パイティティから聞こえる音楽!

"The World Is Waiting For The Sunrise" by Les Paul and Mary Ford

http://jp.youtube.com/watch?v=7iGXP_UBog4

レス・ポールが、1950年代に、当時の奥さんでもあった
メリー・フォードと組んで飛ばしたヒット曲の一つです。

レス・ポールと言えば、ギターのレスポール・モデル。
事実、彼が作り上げたのだからそれだけでも凄いことですが、
多重録音のシステムを最初に作ったのも、それを用いてレコードを制作したのも彼。
さらには、リバーブにディレイといったエフェクトを生み出したのも、この人です。

いやいや、なによりも最高のミュージシャンであるのは、
この動画を見ていただければ一目瞭然でしょう!

ギタープレイとしては、これジェフ・ベックじゃん!と驚くフレーズ、ネタの宝庫。

パイティティの音楽には、石田画伯がおっしゃるように、
ジャンゴとも交流のあったレス・ポールのその軽妙洒脱な音のセンスが、
大きく影響を与えています。

パイティティの「ピクニック」は、デモ段階で確認したかぎり、
「レス・ポール&メリー・フォードへの手紙」という仮題が納得できるような曲想でしたし、
その名残はイントロのツイン・ウクレレの絡みが伝えてくれます。

さらに、音楽パフォーマーであり、かつ理工的(?)な技術とセンスで
ツールをも貪欲に追究するところは、アラン・パーソンや10cc(のゴドレー&クレーム)ら
英国ミュージシャンなども楽しい音楽妄想相関図に巻き込みたくなります。

忘れちゃいけないのは、メリー・フォードの存在。
レス・ポールのエクセントリックなアイディアを、
よりアットホームで気さくなユーモアで包む彼女もまたギターの名手。
極上のデュオだったんでしょうね!
http://jp.youtube.com/watch?v=uhZUCuMFPVU&feature=related


 ところで 、Paititi Recordsのワゴン・セールって、よさげじゃない?


で、エンディングにもう一回、
"Mister Jung Stuffed" by MAN MANをどうぞ。


←「Paititi Recordsへいらっしゃいませ!」第1回へ
←「Paititi Records へいらっしゃいませ!」第2回へ
←「Paititi Recordsへいらっしゃいませ!」第3回へ
「Paititi Recordsへいらっしゃいませ!」第5回へ
「reco la paititi」(パイレコ、秋のお薦め音楽)へ→


  ←「依子がROCK!」                                    「Hot Club Of Paititi Airlines」Home→

「洞口日和」Home