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Paititi News

ここは、過去記事(〜2007/12/3)の倉庫です。
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 ★パイティティとは

Paititi(パイティティ)は、洞口依子さんが、映像作家の石田英範さんと組んだウクレレ・インスト・ユニットです。
もともと、サザンオールスターズの関口和之さんが、依子さんのお誕生日にウクレレを披露なさったのが事の始まりだとか。
1999年に、依子さんと石田さんが、関口さんのアドバイスでユニットを組み、それが現在のパイティティにつながっているようです。

「パイティティ」とは、ペルーにあると言われていた伝説の黄金郷らしく、「アヴァロン」に対抗して「パイティティ」か!と思いきや、
この名前を思いついたのは、男女なので、「パイ」と「ティンティン」という言葉が自然に(なんで!)浮かんだのだとか。
また、1個のパイに2人ぶんのティー、というふうにも解釈できるようです。
私は、英語でtit(ティット)が「おっぱい」の俗語、幼稚語なので、日本語の「パイ」と並べたのかな、と思ってしまいました。

昔から、ユーモラスな名前のつくバンドは、概してセンスがいい場合が多いですが、パイティティもその例にもれず、
とってもユニークで洒落たウクレレ音楽を演奏します。

正直、最初に依子さんがウクレレを演奏されると聞いたときには、スタンダードなどのカバーかな、と思っていました
(それでも、じゅうぶん、私は聞きたいですが)。 しかし、その予想は完璧に気持ちよく裏切られました。
女優としてもひと筋なわではいかない個性の持ち主で、音楽の趣味も本当に幅広い依子さんのこと、
ここでも、ある意味「オルタナ・ウクレレ・ミュージック」と呼べるくらい独特の魅力を持った音楽を生み出しています。



★ 「メレカリキマカ」レポのあとに

「メレカリキマカ」
(「メレカリカマキリ」または「喜連瓜破(きれうりわり)」と混同してしまう。
↑ちょっと嘘)
のレポ(
こちら )についてメッセージくださった方々、
ありがとうございました。

感謝いただけるのは嬉しいのですけども、
私はただ新幹線代使って遊んでるだけですので…
なんか、悪いことしてるみたいです。

でも!
とっても楽しかったです〜
毒が抜けました。

それと、パイティティは、そろそろ、
牧場の柵を飛び越えて野へ出るタイミングだなぁ、と。
だって、いいですもん、ホント。
初めて聴く人の心に、ダイレクトに入っていってましたもん。

あのね、じつはですね!
パイティティの出番が終わって、ロビーに向かうお客さんのですね、
ある人が、「ボナペティ!」のメロディーを口ずさんでたんですよ!
これは、こういう奇跡的な経験が一度でもある人ならわかっていただけるはず。
もう、めっちゃくちゃ嬉しいんです。
その人を探し出して抱きついて犬のように顔を舐めたいくらいなんです。

だって、石田画伯の作るメロディー、いいもんなぁ。
あれだけいろんな音楽を聴いてきて演奏してきた人が、
現在、あんなに親しみやすいメロディーを作るという、
この事実に私はいつも感動してしまいます。

それは依子さんもそうですね。
あぁいう、ちょっと横向いた感じの、取扱注意みたいな役柄がハマる人が、
こんなに、みんなを招待するような、はずむような音楽を演奏していること。
その姿に、いとおしさを感じますね。すごく。

パイティティの音楽は、じっくり聴くと、
けっこうひねった部分があったりします。
でも、開かれてんの。
この、開くのが、むずかしい。
これは、閉じることをよ〜く知ってる人たちによる、開かれた音なんですね。
多くの人が、そのことに思い当たるんじゃないだろうか。
だから、この音楽は、とっても楽しくて、とっても悲しいんですね。

いい音楽には、説明ナシで、それがあると私は思います。


★ ウクレレ・クリスマス・パーティー!

とってもうれしいお知らせ。
パイティティとは縁の深い関口和之さんが主催されるクリスマス・パーティー
「メレ・カリキマカ’07 大人の文化祭」
(「メレ・カリキマカ」はハワイ語の「メリー・クリスマス」だそうです)
に、パイティティがゲスト出演します。

12月2日(日)
12:00 開場/12:30開演

チケット:大人¥3,500 
小人(小・中学生)¥1,000
〜11/2(金)より発売中〜
(POEPOE祐天寺・名古屋 店頭のみの販売)
 
場所:恵比寿ガーデンプレイス内 ガーデンホール (地図は
http://gardenplace.jp/hall/
交通:JR恵比寿駅、又は日比谷線恵比寿駅。JR恵比寿駅東口からは動く通路約5分。

当日はハワイの食べ物、雑貨などの屋台に
ハワイアン・ヨガにハワイ語のレッスン、
そして…
ウクレレ、フラ、くちぶえ、スラック・キー・ギター発表があるだけでなく、
ハワイアンキルト、ハワイリボン作品展も!

めちゃめちゃ楽しそう!!!

詳細はこちらPOEPOEの
HP
 
(追記:行ってきました!レポは
こちら


★ 取り急ぎ報告!パイテイティ秋のデロリ・ライヴ

50人も入れば立ち見で埋まってしまいそうなデロリの店内に、ミュージシャンが7人!
石田画伯(ウクレレ、ヴォーカル)、洞口依子さん(ウクレレ、ヴォーカル、トイピアノ)、カオルさん(ドラムス)、
ヨシミさん(口琴、コーラス)、齋藤さん(サックス、コーラス)、坂出さん(ベース、コーラス)。
ズラリとそろったそのたたずまいが、まずわけもなく見る人を微笑ませます。
当初の画伯と依子さんの2人から考えると、ビッグ・バンド並みに増えています。
あの店内にこれだけの人数が演奏する側に立てば、客はどこに居場所を作っていいのかわからず所在をなくすことも考えられます。

ですが、パイティティというバンドは、いや、「パイティティ・ファミリー」はユニークです。
まるで一緒に音を出して楽しんでいるような、ステージも客席もなく、練習もリハーサルも本番もなく、音楽の種類もなく、
ひたすら気分をハッピーにさせる音楽がある、という空間を作り上げてしまう。
本当は、「作り上げて」もちがいます。
いろんな垣根がユルユルと壊れて、音楽と人間がゴチャまぜになるような嬉しさ、とでも言えばいいでしょうか。

いきなり、依子さん以外のメンバー(「ティティ」)によるジャコ・パストリアスの「ザ・チキン」という、
予想外に嬉しい選曲で幕を開けたライヴは、ついで依子さんのポエトリー・リーディングとファルコンのギター、
そしてにカオルさんのパーカッションにtsutomさんの写真をスライド・ショウで流したセッションに(これがじつによかった)!
以降は、「水晶玉の秘密」という新曲(インスト)に乗って、フィンガー・シンバルを鳴らしながら依子さんが登場。
前回と同様、美麗の機内アナウンスをはさんだブルース・セッション。
そこから後は、「パリのアベック」「アイスクリーム・ブルース」「ウクレレ・ランデヴー」「クロックワーク・ドールハウス」
そして「ボナ・ペティ」のパイティティ・クラシックス(もう?)の連発。

なにが楽しいって、坂出さんのベースと齋藤さんのサックス!
どちらかというとヨーロッパ風味を感じさせるパイティティの楽曲が、あれ、こんなにR&Bだったっけ?と驚くほどのノリ。
いつもなら瀟洒な後味を残す「ウクレレ・ランデヴー」も、リズムがグンと強調されているのが、個人的には好みでした。
後ほどまた詳しく書きますが、ヨシミさんの口琴、やっぱりパイティティのエッセンスです。

すばらしかったのは最後に演奏されたヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「宿命の女(ファム・ファタール)」。
歌うはもちろん、洞口依子!
KORGの昔懐かしいリズム・ボックスに導かれて始まったときは、ヤラレタ!と思いました。
また、「え!この曲を依子さんの歌で?卑怯だっ」とつぶやいてしまったほどのズッパマリの選曲。
びっくりしたのは、男性陣、つまり「ティティ」のおアニイさんがたが、太い声でコーラスをつけていたこと。
これがね、いい味なんだ、また。こんな「宿命の女」初めて聴きました。
しかも、この曲に齋藤さんのサックス・ソロをぶつけて、このソロがまた「こんなにいい曲だったのか!」と
いうくらいにハートのこもったもので…胸が熱くなりました。
(この歌については、
こちら にも書きました)

ここでバンド演奏は終わり。
えっ?短すぎないか?だいいち、依子さんがもっと歌いまくるはずでは??
といぶかしく感じていたとき、前回も、ネットリかつさりげなくキュートなベリーダンスを披露してくれた
プラハさんの舞がスタート。前のときよりもワサワサと心を高ぶらせるのは、私の生理的な反応なのか?
プラハさんのホットなダンスをさらに刺激するのがカオルさんのパーカッションと長岡さんのバンデイロ。
今回なぜかバーテンダーの扮装で(最初は、さらになぜかウサギの頭をつけて)叩くカオルさんは、相変わらずかっこいい。
この人がかっこよくない日はないな。
長岡さんのバンデイロさばきは、とんでもないものを目の当たりにしているというのに、
自分もマネて始めてみたい!と思わせるんですよ、なぜか。
人を驚かせるチカラと、きっかけを与えるチカラを兼ね備えた人って、すごい。

と、なんと、プラハさんに「絹の靴下」おいでおいでされて、依子さんが、ベリーダンサー衣裳で登場!
すごいサプライズ。
踊りのことは私にはわかりませんが、無心になって踊っているのが、自然と見る人をトランスさせるんだなぁ。
このお2人が、体を悩ましくくねらせながら向かい合って踊る姿の妖しさ!
いやぁビックリした。

あんまり「取り急ぎ」になってませんでしたが、これでも精一杯「取り急いだ」つもりです。
坂出さんと齋藤さんには、アルバム作りにも参加していただけないものか…

「スライド・ショウ」のことなど、まだまだ書き足りないことがいっぱいあるので、
後日また増補してレポいたしますね!
あぁ、でもひとことだけ言いたいな。
洞口依子さんは、女優。
それは文章を書いても音楽を演奏してもベリーダンスを踊っても静止画の被写体になっても。
スライド・ショウで、リーディングと音と写真が一体になったとき、それが猛烈にわかりました。

依子さんは、出力がいくつもあるというより、
入力がとんでもなく多くて、捉えきれないほど種々あって、
それを「洞口依子」という一本のラインでアウトプットするときが、
いちばん輝くのだと思う。
そしてその最高の瞬間のためには、
彼女にふさわしいペースや時間の流れも、あるんだと思いました。

私も、あんまりガツガツかきこまないように(「書き込まない」ように?それは無理?)しよう。
最近ちょっと、いろいろ忘れかけていることが多かったと思います。
 
でも、やっぱり、「すげぇ魅力的」と思う気持ちは変わらない。
彼女がいまやっていることは、必ず報われる日がくると、私は信じています。


★ シネマはパイティティのためにある!

パイティティ映画出演の話題はすでに依子さんがブログで写真公開されているとおり。
この日のブログです)

依子さんは『ニンゲン合格』で歌手役デビュー(?)をはたしていますが、
というよりデビュー作ですでに歌っていますが、
もちろん、パイティティでの出演はこれがはじめて。

園子温監督といえば、『部屋 THE ROOM』でも依子さんと組んで、
ヨーリー・マニアをねらい撃ちするかのような見事な作品を作り上げています。
あれから15年。
今回はカメオ出演(特別出演)ということですが、
当サイトを隅々まで読まれているかたなら、このカメオ出演が洞口依子さんにとって
どういうものであるか、もうおわかりかと思います。
そうです、ヨーリーはカメオになってもヨーリーです!
そんでもって、今回は画伯もいます。
カオルさんもファルちゃんも、酒屋…ヨシミさんもいます!
サックスの齋藤 昇さんも、ベースの坂出さんもいるということは、ブラジル仕様です!

とりあえず、園監督のHPは
こちら
 


★ パイティティ、ポップス惑星に行く!

11/16(金)のデロリ・ライヴ、詳細がパイティイティHPにアップされています!(
こちら
今回も石田画伯渾身のポスターですね。

夏のときと同様、沖縄から口琴マスターのヨシミさんが参加されます!
リーディングもあります!
ファルコン・ギターもうなります!
スライド・ショウもあります!
ベリーダンスもあります!
その他、いろいろ、ウッシッシ!
もう今回は、パイパイティティティティティ…数えられない(数えるな!)

私もこの風邪治してとんでいきます!
デロリでお会いしましょう!

なお、パイティティHPに、
salon de paititi
というbbsがあるので、そちらにもお立ち寄りください。


★ パイティティ、秋のライヴ情報!

あの「真夏の夜の夢」に続く秋のパイティティ・ライヴが決定しました。
今回も会場は渋谷DERORI。
なんと、入場制限なし(ホントかよ)。

依子さんからは、
「ヴァージョン・アップしたパイティティをお楽しみに!」
とのメッセージあり。


2007/11/16(金)
20:00〜22:30
 (開場は19:00)

DERORI (渋谷)
(地図は
こちら) 

Get Your Wings! 飛べ!パイティティ
せっかくだから、「パイティティ離陸のテーマ」とか作ったらどうだろう・・・


★ 石田画伯の「聖なる館」

物に埋もれて暮らしたい、それも自分の好きな物に・・・
「必要な物さえあればいい」という考えも、
これとじつはそんなに遠くはありません。
「必要な物」がどれだけあるか、のちがいで。

ただ、これを文字通り実行するかどうかとなると、
人それぞれちがいます。ハッキリ、ちがいます。

石田画伯は、実行派。もう、バリバリの実践家。
筋金入りの埋モレビトです。
なんか、「木漏れ日」みたいですが、
画伯のオフィス、お仕事場は物で溢れかえっていました。

PCがあちこちにズラリと並んでいるのが普通なら
真っ先に目に飛び込んでくるのでしょうが、
いたるところに積み上げられた楽器類、CD類、書類、
トグロを巻いて眠るコード類の山に圧倒されます。
フロアに横たえられたギターのハードケース(長方形のやつね)が、
洗面所へと人を渡す桟橋の役目もはたすという、「匠」のわざも。

ふとみると、ウクレレが何本も、折り重なるようにして積まれています。
ビートルズの「イエロー・サブマリン」グッズが、こんなもの、
といった風情で棚に置かれています。
マーティン・デニーのLPに、ロバート・プラントのソロ・アルバムが面出しで並んでいます。
ビリー・ホリデイのボックスなんてのも目に留まりました。
そして反対の壁には大レッド・ツェッペリンのでかいポスター。


画伯の作品もあります。
「カッパくん」の番組『ロック誕生50年』で使用された、
「Rollyの部屋」の門セット(ミニチュア)。
放送ではこれにコウモリが羽ばたき、
「ロ〜リ〜のへや」とナレーション(byヨーリー)が重なったのですが、
そのコウモリも、人形劇さながらに画伯が床に這いつくばって針金で飛ばしてたそうです。

また、同じ番組でストーンズの『レット・イット・ブリード』のジャケを
模したケーキが出てきましたが、それもありました。
たしかこれは、依子さんも制作に関わったはず。

おわかりかと思いますが、この空間、私には非常に居心地がいい。
なぜならば、あぁ悲しいかなというか、私にはわかってしまうからです。
これらの物の山を、あるブラック・ボックスにドカドカッと入れて、
ポンッとボタンを押すと、あのパイティティの音楽の大部分が出てくるのだと。

その意味ではこの部屋は、依子さんやカオルさんのいない状態でのパイティティです。
「ティ」です。
ここは「ティ・ルーム」。
画伯は千利休か。

というわけで、家元はPCを立ち上げ、iTunesを開きます。
パイティティのデモ音源をプレイしていただけるというのです。
早速、聞き覚えのある戦慄じゃなくて旋律が流れてきました。
「ウクレレ・ランデブー」だ。
ヴォーカルがヴォコーダーを通したみたいに変調されてます。
「音程を調整するソフトでヴォーカルを徹底的に矯正したらこうなっちゃった」
ロボット声になってます。

次に、サンバっぽいリズムの打ち込みインスト。
サンバとウクレレってのもあまり聞かない組み合わせで、
画伯は「これはどんなもんかなぁ」という表情をされていましたが、
カオルさんがこういう感じは得意なのではないでしょうか。
サンバ、やってください、サンバ。

「お地蔵さん」というタイトルの曲は、ファンキーなインスト。
この「お地蔵さん」ってのは、関口師匠のことらしいです。
私がアフロなうねりのある音楽が好きってこともあるだろうけど、
パイティティの音楽が「和み」だけに終始しないのは、
根っこにこういうグルーヴ志向があるからじゃないんでしょうか。
この音の行方がものすごく気になります。

そういえば、このお部屋に「常備」されているのはウクレレだけではありません。
ジミー・ペイジも愛用したダンエレクトロのギターも、物と物の間から顔をのぞかせています。
私はこのときツェッペリン再結成のニュースを知らず、翌日依子さんから仕入れたのですが、
ロンドンまで追っかけに行く画伯には、ちゃんとツェッペリンを語っていただけたらと思います。

聞かせていただいたデモには、ビートルズを思わせる曲もありました。
画伯が爪弾くギターのアルペジオ、その捩れたコード進行に、
ホワイト・アルバムのジョン・レノンが木霊します。
そのことを告げると、
「ここでメロトロンが入ったりしてね!だれかメロトロン持ってないかなぁ」
と、本当に欲しそうな表情を浮かべていたのが印象的でした。

ちなみに、メロトロンというのは、ウルトラセブンの星人ではなく、
まぁ、サンプリング・キーボードのご先祖みたいなやつです。
「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」のアタマでフヮッフヮッて鳴ってる音とか、
ヴィンテージですよ、どっちにしても。

この曲はサード・アルバムあたりに入ってるといいんじゃないでしょうか。
「そうだねぇ!ツェッペリンVみたいにね!」

音源を披露する間、画伯はずっとウクレレを手から離しません。
「パリのアベック」でも、かかっている音とアタマからずっと寸分たがわずに合奏します。

それにしてもメロディーがきれいです。どの曲も、くちずさみやすい。
「そこは一番気をつけてるとこなんだよね」

画伯は、お会いするたびに、パイティティの音楽はじつは演奏しやすい、と強調されます。
「楽器を始めて日が浅い人でも、ちょっと練習すれば手が届く。たとえば、ほら」
そう言って、実際にいまかかっている「パリのアベック」を弾き出します。
譜面に直すと和音が複雑そうに聞こえて、押さえるコードも初心者には難しそう。
ところが、
「じつは、ぼくとヨーリーで音を分け合ってんの」
と、難しそうなフレーズを、2人分にわけて弾く画伯。
そうすると、たしかに、1人ぶんのフレーズは意外とシンプル。
もう一度、曲をアタマだしし、今度はパートを交代して弾いてみせます。
なるほど!これは演奏していて楽しい!
つまり、個人パートは負担が少ないけれど、合奏したときに音が豊かに聞こえる。
これがパイティティの音楽の秘密だったのか。

こんなの、企業秘密じゃないかと思うでしょう。
私もさすがに心配になって、これは公表しませんよ、と確認しました。
が、
「なんでも書いてください」 とのお言葉。

おわかりですよね。
これは音楽の感動を成す、ほんの一部でしかない、ということです。
タネはとっても簡単。
でも、同じことができるかというと、それはまたべつの話。

いやぁ、おもしろいお部屋訪問でした。
石田画伯、ありがとうございました。

ところで、パイティティのそういうアンサンブルであれば、
なおさらファンク系の演奏を聴いてみたくなります。
ものすごくミニマルなフレーズを、しつこいくらいに2人で繰り返すような演奏。
いかがでしょうか。


★ 石田画伯に訊け!

石田英範さん。
パイティティのオリジナル曲のほとんどを手がけ、
ウクレレだけでなくギタリストとしてもバカテク(テク馬鹿ではない)のミュージシャン。
私はこのかたや「カッパくん」とは、10歳とまでは行かないまでも、
それに近いくらい年が離れているのですが(もちろん、私が若輩者です)、
私が古い音楽を好きで聴いてきたこともあってか、
お会いする機会があると音楽の話をしていただけるのが楽しくってしょうがないです。

ただ、この年齢差というのはけっこう微妙なところもあって、
とくに画伯のように70年代のロックをオンタイムで聴いてきた世代のかたの
熱い思いのこもった音楽観は、うらやましさが先走ってなかなかつかめない点もあります。

そこで、(非常に)お忙しい石田画伯のお時間を奪い取って、
音楽についてあれこれと質問をぶつけました。

Q&Aのアンケート方式ですが、お答えがあまりに興味深かったので、
さらに私が蛇の足をつけて感想を書いています。
では!


Q1.  最初に弾いた楽器は何ですか?また、それはいつ?

   
パーカッションですね!赤ちゃんのとき、ガラガラをスイングしまくってました。(笑)
   な〜んてね。絶対そうだと思うけど、これは記憶にありません。
 記憶が正しければ・・嘘偽りなく、幼稚園の時に買ってもらったウクレレです。
 大正テレビ寄席の司会、牧伸二の影響です。
 

(*夢影博士感想:三つ子の魂、ですねぇ。
しかし、ガラガラをマラカスにすれば、日本人のリズム感も多少は変わるかもしれませんね)



Q2. 学校の音楽の授業は好きでしたか?

    
ん〜全体的には微妙ですが、好きでした。
小学校の時の音楽の先 生がナント!徳富盧花の孫で、この先生の授業が面白かったです。
  ピアノに不思議な装置が着いていて、先生が鍵盤叩くと黒板の上の五線紙上に光る音符が出現するの。
単音だけじゃなく、和音でもパパパッと光る。
  休み時間にこれで遊ぶんですよ。 
インターラクティヴ・アートの基礎はここで磨きました(笑)

(*ミュージシャンのかたは、わりと学校の音楽の授業は嫌いだった、とおっしゃるのですが、
そんな授業だったら、みんな楽しいですよね。それにしても、徳富蘆花のお孫さん・・・)



Q3.  最初にコピーした曲はなんですか?

   
マイク・オールドフィールドの『エクソシスト』のテーマ「チューブラー・ベルズ」です。  
   次はサイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」だったかな。


(*どういう順番ですか!ていうか、「チューブラー・ベルズ」を「コピーした」って、なんですか!
そういえば、「サウンド・〜」のイントロ、ちょっと「チューブラー・ベルズ」っぽい響きもありますよね?)


Q4. 最初に組んだバンドは、いつですか?
どんなバンドでしたか?また、バンド名は?

    
中学2年の時。無謀にも「チューブラー・ベルズ」やったりしてたなぁ。 
バンド名は特になかったと思う。
  あと、郷ひろみの「恋の弱み」をやったり。
このイントロのギターがカッコイイんですよ。

(*どんな中学2年ですかっ!「恋の弱み」は知らないなぁ。
画伯は筒美京平ファンですが、これも筒美サウンドなんでしょうか。
でも、70年代歌謡曲のギターって、カッコいいものが多いですよね。
パッと思い浮かぶのは全部ジュリーの井上堯之ですけど)


Q5. 最初にあこがれたミュージシャンは誰ですか?できれば洋邦それ ぞれ。

    
レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジ。よくあんな曲が作れるなと。
  邦楽では山本コータロー。「走れコータロー」と「岬めぐり」は良い曲ですよ。


(*ジミー・ペイジと山本コータロー。画伯のミステリーを垣間見る思いです。
ちなみに、私が生まれて初めて買ってもらったレコードが「走れコータロー」でした。
3歳のガキが「え〜、このたび、公営ギャンブルを〜」とか言ってたんです)


Q6. エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジでは誰 がいちばん好きですか?
だれがいちばん嫌いですか?その理由は?

    
ジミー・ペイジが一番だけど、同格でジェフ・ベック。
エリック・クラプトンは興味なし。
   ヤードバーズでのプレイにおいても、他の二人と比較して独特の個性を感じなかったから。

(*これは画伯の世代のかたでは意見がわかれるところでしょうね。
でも作曲家としたら、ま、いろいろ言われるけど、ペイジが一番、なのかなぁ)


Q7. キング・クリムゾン、ピンク・フロイド、ジェネシス、ジェントル・ジャイアント、
この中で、ツアーに参加できるとしたらどれを選び ますか?ギャラやグルーピーなどは同条件。
    
ピンク・フロイド。 
聴いたことある人なら分ると思うけど、デビッド・ギルモアの生音って本当にしびれますよ。 
スタジアムであんな音を鳴らしてみたい。


(*なるほど〜 この話題からは、サッと逃げます^_^;)


Q8. ドラムは叩けますか?


     
残念ながら叩けません、ドラムを叩くと、手と足がだんだんいっしょになっちゃうんです。
     パイティティの薫さん、尊敬!


(*意外です。なんでもマルチにこなされるのかと思ってました。
でも・・・きっと「専門のドラマーほどではない」という意味じゃないでしょうか。)
 

Q9. 鍵盤楽器はなにかできますか?
    
小学生時分、エレクトーンを習ってはいたものの、なにひとつ覚えてません。なぜだろう?
  ピアノも猫が歩く程度に弾きますが、うまくないです。
  シンセは一種のスイッチなので何でも来い!って感じです。

(*まぁこれも、きっと弾けるんでしょうね。)


Q10. 現在のディープ・パープルにギタリストとして参加してほしいと 頼まれたら、どうしますか?

     
イエス! オヤジ同士で和気あいあいブラックモアのヅラをかぶって「スモーク・オン・ザ・ウォーター」!

(*リッチーもジョン・ロードもいないので、のびのびできるんじゃないでしょうか?
私は「スペーストラッキン」がたまらなく好きです)


Q11. いちばん最近鼻うたで歌ったのはなんですか?正直に!

     
パイティティの新曲のメロディーライン。

(*私も「ボナペティ!」をよく歩きながら口ずさみますよ!)


Q12. いちばんショックを受けた日本人のギタリストは誰ですか?

     
16歳でジャズギターのフルアルバムをリリースした渡辺 香津美。
   中学のときに聴いてたんだけど、あまりのショックで高校行かずに弟子入りしようかと「本気」で考えました。
   

(*あぁ!なるほど!ちょうどその頃なんですね。私はこのへんの事には疎いので、ぜひお聞かせください。)


Q13. 「なんかジャムろうよ、画伯、始めてよ」と言われたら、まず最初に弾くコードはなんですか?

      
Cメジャー7です。 その次ぎはDマイナー9。

(*ちょっとジャジーな感じで。カッコいいなぁ。)

Q14. 頑張ってコピーしたけどできなかった曲はありますか?差し支え なければ、なんでしょうか?

     
ツェペリンの「ハートブレイカー」の間奏の後半部分の一部。
   リー・リトナーの「キャプテン・フィンガーズ」。


(*「ハートブレイカー」のどの部分なのか、今度口で説明してください!
後半、ベースとドラムが戻ってくる直前?
リー・リトナー・・・これも私の不案内な分野です。
この曲って、めちゃくちゃリズムがややこしいとこで早弾きがなかったでしょうか)


Q15. レコード・ジャケットで今、壁に飾りたいものは?

     
トーマス・ドルビーの「エイリアン・エイト・マイ・ビューイック」。

(*これです↓)



Q16. マーク・ボランとデヴィッド・ボウイはどっちが好きですか?
     
どちらも好きだけど、マーク・ボランかな。叫び一発でロック になる声。   

(*私も、両方好きだけど、ボランかなぁ。天然という感じがする)



Q17. いま何問目?

     
17歳の時は、ツェッペリン号に乗ってました。  

(*正解。)


Q18. 映画音楽でお好きなものはなんですか?

     
ニーノ・ロータとそれに影響されているアンジェロ・バダラメンティ


(*これは興味深い!ニーノ・ロータの感覚はパイティティに聞き取ることができますし、
さらにアンジェロ・バダラメンティですか!デヴィッド・リンチの世界ですね!
パトリス・ルコントの『橋の上の娘』って好きな映画があるんですが、
そのセクシーなナイフ投げのシーンでかかっていたマリアンヌ・フェイスフルの曲も、
この人の作なんですよね。)



Q19. 最近いちばん聞いている音楽はなんですか?
     
パイティティの音楽(バリバリ作曲中なので、ヘビロテで聴い てます!)

(*いくつか試聴させていただきました!
これについては、画伯から許可いただいたので、次の機会にでも書こうと思います)


Q20. アルバムはいつごろを目処に考えていますか?
     
2008年 夏を予定。乞うご期待!

(*2007年の夏がまだ残っていますが・・・しかしまぁ、夏にリリースするほうが似合う音楽。
それまで、ライヴで弾き倒してください!)


てな感じで、軽い遊びのつもりでお願いしたものの、予想外におもしろいお答えが返ってきて、とても満足しております。
 お忙しい中、画伯、ありがとうございました!

次回は、画伯のお仕事部屋訪問記事です。
ちょっと、ディープな音楽ネタが続きます。
乞うご期待!

なお、アンジェロ・バダラメンティに興味のあるかた、youtubeにいろいろありますよ。
Twin Peaks Intro (
http://www.youtube.com/watch?v=7oDuGN6K3VQ)、
「橋の上の娘」(
http://www.youtube.com/watch?v=OaamZLKRul0&mode=related&search=)

 
★ 8/18(土)午前10時、『J-WAVE MORNING GREETING』 生放送出演決定!

81.3FM、J-WAVEの朝の番組、『J-WAVE MORNING GREETING』に
8/18(土)10:00AMより、パイティティが生出演するそうです!

聴ける地域のかたはぜひ!

ところで、東京と沖縄以外にお住まいのかた、
パイティティを見たいと思いますよね?
どうすれば、パイティティに来ていただけるのか。
そろそろ真剣に考える時期じゃないでしょうか。

う〜ん、太陽を盗んだ男、になっちゃおうかな。
「パイティティのライヴを実現させろ!」
だってストーンズだってWHOだってもう見れるのに・・・
最後の大物か。
いまの状況は、あまりにもせつないけど、待とう。
待つしかない。

 
★「真夏の夜の夢」写真展に、BBS登場!

BBSと言っても、ベック、ボガート&ポール・サイモンじゃないですよ。 
掲示板のことです。
「サロン・ド・パイティティ」と題した、まったり喫茶室が設けられています。
これも、
http://www.paititi.tv/musee_du_paititi.htmlから入れます。

まったりと、ゆるゆるしましょう。

それにしても、masaさんの「スイング・ヨーリー・うふふ」、いいなぁ。

あと、タケシさんとファルコンさんのがほしいですね。
どなたか、女子、頑張ってないの?


★「真夏の夜の夢」写真展 

どなたのアイデアなんでしょう、ナイスですね〜。
参加者から写真を募る、というのがパイティティらしくて素敵です。
http://www.paititi.tv/musee_du_paititi.htmlで開催中の「真夏の夜の夢」写真展。

私はこの日、動画しか撮ってなかったので後悔していたら、
キャプチャーでもいいよ、と画伯からの温かいお言葉。
なので、粒子はかなり粗いですが、数点参加させていただきました。

でも、他のみなさんのが面白いですね!
特に好きなのは、カオルさんとヨシミさんが入れ替わってる一枚です。

contact@paititi.tvでまだ募集中なので、こうなったら、
持ってる人は全員送っちゃいましょうよ!
ただし、スペシャル・ゲストのお写真はNGです。


 ★「真夏の夜の夢」の搭乗券

今さら、ですが・・・

「真夏の夜の夢」では、搭乗手続きを済ませると、
こんな搭乗券を受け取り、それを依子さんに渡すと、
その場でキスマークを付けてくれました。

下がその動かぬ証拠。



ちなみに、信じてもらえなくてもかまわないけど、
みなさんの想像するようなことは、私はしてませんよ。
してもいいと思うし、しとけよ、と思う気持ちもあるけど、
これは、忌わの際の楽しみに、とっとくのです。

だって、天国行きたいやんか、どうせなら。
でも、生き返ったりしてね。
依子さんのキスマークは火の鳥の生血か。

 
★ Every Picture Tells A Story...

依子さんのブログでも紹介された、tsutomuさんのフォト・ライブラリー、
ご覧になりましたか? 
こちらです。
8/4の「真夏の夜の夢」の写真が展示されています。

まるでパリのアラブ人街にある場末のクラブのような、
異様な熱気と饐えたような匂いが伝わりそうな、
ハッピーでエロティックな写真。
最高じゃないですか!

写真一枚一枚が、物語を語りだす

ライヴにいちばん必要なものは、
間違わずに演奏することよりも、凝った演出で酔わせるよりも、
いかに渦を巻き起こすか、につきるのかもしれません。

これから回数を重ねるごとに、
パイティティって、すごいライヴ・バンドになってゆくのでは?

ベリーダンサーズもメンバーに加えてほしい!

というわけで、この日8/4の昼と夜であなたが撮った写真を、
contact@paititi.tv に送りましょう。
「パイティティ・ミュージアム写真展」として、パイティティHPにアップされます。
ナイスな企画!

あ〜、それにしても、早くまたパイティティ観たい。
観たことのない人に観てほしい!

 
★パイティティ、8/4のイベント

こちらにレポートを掲載しております!


もう一度確認、パイティティ 8/4ライヴ 

台風がどう影響するのかわからないのが(非常に個人的に)懸念される週末ですが、
近づいてきました、8/4(土)のパイティティ・ライヴ・デイ。
もう一度おさらいしておきましょう。

まず、13:00−13:30渋谷アップルストアにて、インストア・ライヴがあります。
こちらは無料です。同店では、これで2回目のライヴになります。

前回のライヴの模様は、パイティティのHP内「CLUB PAITITI」で視聴できます。
また、同内容はyoutubeでもアップされています。
http://www.youtube.com/profile?user=doguchibiyori
↑は私のページで、ほかの洞口依子さん関連の動画もまとめています。 

 続いて夜の部、「真夏の夜の夢」は 同日17:00〜20:00に
渋谷「
DERORI」 で行われます!
こちらはすでに完売。

 夜の部の当日の予定は、
パイティティ・ウクレレライブ、
依子さんの『子宮会議』リーディング、
サイン会、
本&CD販売、
トーク、
お楽しみギフト抽選会、
 その他スペシャル・ゲストなどなど…


ではでは、当日までに万全の調子を整えて・・・


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