那覇桜坂劇場その3 (2008年7月6日、沖縄) (←「その1」へ ←「その2」へ 「その4」へ→)

「那覇桜坂劇場3周年記念&GIRL'S TALKプレゼンツ 洞口依子
『子宮会議 』
洞口依子リーディングセッション 〜癌体験から再生への道のり〜 」
 
 

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以上、サポーター・ブログとして告知にご協力いただき、ありがとうございました。

また、独自に宣伝いただいたかたがたにも、私が感謝すべきかどうかわかりませんが、お礼申し上げたいです。

大盛況でした。
いったいどのくらいお客さんが入るのだろう、と不安半分で劇場前にいた私は、
徒歩や自転車で三々五々に来られる人たちが、やがて、容赦なく照りつける南国の太陽、その炎天下のなか、
桜坂劇場の階段から外へ出て、道向かいの公園にまで列を作って並ぶ姿を見たとき、
胸がいっぱいになって何も言えなくなってしまいました。
その行列をなんとしても依子さんに見てほしくて、後で泣かせてやろうと思って写真に撮ったのだけど、
いざ実際に見せたとき、バカみたいに涙そうそうになってしまったのは私のほうでした。トホホ。

いつもどおりのファルコンのアコースティック・ギター演奏と依子さんの『子宮会議』朗読。
今まで何度も何度も見てきたこのコラボレーションですが、依子さんの朗読は過去最高のパフォーマンスでした。
舞台に出てきて前を向いた瞬間の気迫がいつもとちがいました。
そしてそのオーラや気迫が、強圧的になるのではなく、ひとことひとことの響きを大切にしながら、
読み進めるほどに、聴いている人たちを包み込んでいきます。懐の深さを感じました。

お客さんのほうを向いたり、目を閉じたりして、書かれてある内容を「読む」のではなく「声で伝える」姿もよかった。
彼女が前を向いているあいだ、背後にある白いスクリーンに、まるで語られている彼女の像が映写されているようでした。
その像はやがて、『ドレミファ娘』の秋子になったり、『マルサの女2』の奈々に変わったり、
『部屋』の不動産屋OLが大映しになったり、『カリスマ』の千鶴になって椅子に座ったり(!)、
彼女が演じたいろんな女性像が垣間見えては、いまの姿に戻っていくような、
そのくらい、映像として「見える」、いい朗読だったと思います。

ファルコンが、これまで何度か試してきた後半に向けてのストロークでの盛り上げをほとんど排して、
音数を極力しぼった演奏に徹していたのも素晴らしい効果がありました。

女優としての存在感と美しさが、やわらかく落ち着いた声のトーンとギターの音に結びついたとき、
手の届かない星としてではなく、誰もがいつかたどりつける希望の姿としての洞口依子が、そこにいたと思います。
そして、そんな姿だからこそ、苦悩の向こうにようやく沖縄の海に浮かぶ彼女が、
「ただいま。」という言葉で読み手の彼女に戻ってきたとき、そのゆっくりと氷解するような笑みは、
聴き手を照らすための灯りになって、しっかりと手渡されたと信じたいです。

豊見城中央病院の前濱先生を迎えてのトークでは、客席からの質問に合わせて、子宮頸がんの基礎的な知識から、
病院や診察室のありかたに対する疑問、その逆に看護士のかたのさりげない気配りがいかに重要かという、
体験からくる話などを進め、やがてはなんと依子さん自身がマイクを持って客席に下りて質問を受ける展開になりました。
このことを、後からある人に「ビックリしましたね」と言われたし、そんな気もたしかにしましたが、
よく考えると、『子宮会議』からの流れには、もうそんな依子さんもごく当たり前に存在するのだと思います。

イベントの最後に、彼女は舞台の中央に立ち、
「こんなに元気になりました。みなさんもなれます。だから、希望を持って、夢を持っていいんです」
とソフトな口調ではあるけれど力をこめて、客席にエールを送りました。
強いということは、弱さを知りぬいていることなのだと思いました。
この瞬間の彼女は目映いくらいに美しかったです。

『子宮会議』とパイティティCDへのサイン会が行われたあとは、劇場前でパイティティのセッションです。


もちろん、完全なアンプラグドで、音も適当にしか聞こえないのだけど、
彼らのようなバンドはこういうシチュエイションが似合うんですよね。
だから、自然のなりゆきで、そのまま坂を下って平和通を、楽器を鳴らしたまんま練り歩きです。
アーケードの商店街では、スタッフ一同、CD発売を声をはりあげて宣伝です。
ところが、配る分のチラシがない。そんなの営業的に考えたら問題外の宣伝ですけど、
八百屋のおじさんが、「沖縄に合ってっていいねぇ!」なんて話しかけたり、
子供たちが好奇心まるだしで覗きこみに来たり、もう気分は最高。
そうだよなぁ、チラシは捨てられるけど、想い出は捨てられないもんなぁ。

延々30分は練り歩いたでしょうか、依子さんもバンドもスタッフもかなりお疲れのはず。
でもこの日、依子さんにかけたい言葉は、「おつかれさま」ではなかったのでした。

おかえりなさい、依子さん。



*なんと、那覇レポにはまだ続きがありますよ〜

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