『激恋・・運命のラブストーリー・・』(2010)

(このサイトは洞口依子さんのファンサイトで、この記事は作品中の洞口依子さんについて綴ったものです)

みなづき未来原作の同名ケータイ小説をドラマ化した作品で、
30分の枠のうち、後半10分は前半のドラマを見た視聴者からのメールが紹介される生放送。
前に『
ジュテーム わたしはけもの』というドラマのときにもやったように、白紙の状態で見て、
毎回あぁだこうだと予想したりそれを外したりしながら、このドラマにおける洞口依子さんについて書いていきたいと思います。

「第1回 運命の出会い」(2010年4月9日 0:15〜0:45 NHK総合にて放送)

依子さんの役は主人公・海優(みゆ)の母親(晴美という役名は奇しくも『
テクニカラー』と同じです)。
高校一年生の海優は、部活でもないのに朝7時15分には登校して屋上で時間をつぶします。
毎朝繰り返される両親のケンカに耐えられず、家にいるよりは学校にいるほうがマシという理由で、
性格も内気で特に男子には距離を置いているようですが、シャイというより両親の問題が陰を落としているのが、
帰宅してからの母親とのやりとりで汲み取れます。
マンションの一室。真っ暗な部屋の灯りをつけると、お母さんがボーッとソファに座り込んでいる。
そこから娘と言葉を交わしながら「ご飯の仕度するね」と冷蔵庫に向かう姿。
今の今まで座り込んでいたその半日ぶんのお母さんの気の重さと、主婦として自然に動いてしまうキッチンでの佇まいが、
冷蔵庫に向かう後姿での腕の振りににじんでいて。
トマト以外にほとんど何も入っていない冷蔵庫を見るその肩にのぞく、暗い室内で無為に過ごしてしまった一日への息切れ。
海優はお昼にパンを買って食べる女の子なのだけど、これは母親の塞ぐ心を慮ってお弁当を作らせないんでしょうか。
両親への反発というより、母を裏切る父への嫌悪というところまで察せられるのが第1回です。

十代の女の子の視界の中にいるお母さん、という点では、同じNHK『中学生日記』(2006年)での依子さんも思い起こさせます。
ただ、今回の作品では、思春期の恋と父母の関係がコントラストになって進展するような予感がしますね。
私がちょうど高校1年くらいの頃に見たフランス映画の『ラ・ブーム』がそんな感じだったような。
うぅむ、私も40の坂を少し越えたおっさんとしては、この両親の物語に自然と感情移入する、はずなのですが、
なんのなんの、あのイケメン先輩ってもしかして海優の・・・????などと、そっちが気になっています。
意外と、そういう人、多いんじゃないでしょうか?

来週は第2回の前に『
スタジオパークからこんにちは』に依子さんが出演予定。


「第2回 危険な誘惑」(2010年4月16日 0:15〜0:45 NHK総合にて放送)

あ、ハマってしまった。 
私は、もともとこういう女の子っぽい話、さびしい少女の物語に弱い人間ではあるのだけど、
第2回にしてすでに、「先輩、足なが!」とか、「あの友達と先輩の友達は、くっつくな?」とか、
先を読んだつもりで自分がドラマに握られてしまっています。

今回の依子さんは、学校から帰った海優が出くわす夫婦ゲンカの場面。
夫が他の女のところにばかり通っていることを泣き叫んで責めます。 
前回、海優と2人だけの時にはまだ母親として娘の前で自制を保っていた感情が爆発、
全身でとらえられた体は物を投げつけながらも弱々しく、倒れそうなほど前かがみです。
海優の視点では、前回までは父への嫌悪というところがあって、母には同情を感じているようにも思えたのですが、
ここで争う2人に向き合う彼女の軽蔑のまなざしは、取り乱して騒ぐ母にも向けられるところがあるようです。
そうなってくると、母親が、単に被害者という色だけではなく、苦悩から抜け出せない弱さも帯びてくるはずで、
もしかしたら次回以降、「ダメな母親」という、依子さんがこれまでにも幾度か演じてうまかったキャラクターがクロースアップされるのか。

公園やホテルに学校と、海優の恋愛(にはまだいたっていないけど)は、家の外に舞台が動いていくのに比べると、
このお父さんとお母さんの話は家の中で続いていくのでしょうか。
それとも、お母さんがある日なにかのアクションを起こして外へ出るのでしょうか。
とにかく、今回は海優がホテルからお母さんに電話をかけたときに、途中で何事かを言い切れずきられたお母さんの言葉が気になりますね、

今回の話のツボは、ホテルに入ったとき、「腹へってるだろ」と買出しに行った湊先輩が、
自分にはコーヒーみたいなもの、海優には別にペットボトルのジャスミンティーだか女子系のものを買って帰る心遣いです。
いい加減に見えて、けっこう心遣いを見せてますね。 まだどこまでが計算なのかわからないところですが・・・


「第3回 走り出した思い」(2010年4月23日 0:15〜0:45 NHK総合にて放送)

前回がホテルで今回が初アンブラッセということで、いったん前にせり出したのを引っ込めてまた前に傾くという、
急ブレーキのような衝撃を吸収するまもなく恋が走り出しました。
バス・デート。 湊センパイのように初め感じワルかったイケメンがこういう素朴なアイデアを出してくると、
なかなかにギャップがあって効果があります。 
「親がどうあろうと、おまえは自分の道を行けよ」と力強く励まされた海優です。 
あぁいう年齢って、1歳上でも相手を見上げてしまいますから、これで海優の心は掴まれたみたいですね。

彼女のポジティヴな変化が、自宅に帰ってのお母さんとの場面でよく出ていました。
お母さん、ついにソファに倒れこむようにして昼間っからお酒に溺れています。 優しく介抱する海優。
第1回にも似た場面がありましたが、お母さんへの軽い軽蔑をにじませた第2回をはさんで、さらに恋がスタートしたばかりの海優は、
「お母さんは昔バリバリのキャリアウーマンだったんでしょ?」「男の人と同じくらい働いて、独りでも生きていけるって思ってたんでしょ?」
と母を力づけようとします。 すごい変わりようです。 いや、もともと彼女はお母さんのそういうところを尊敬していたのでしょうね。

それにしても。
そうだったのか。 お母さん、もとはキャリアウーマンだったんですね。
あぁ、そうなってくると、現在の彼女の精神状態は、いろいろこじれた思いがあってのことなんだ。
洞口依子さん、毎回異なった壊れ方を見せてくれますね。 
第2回でのヒステリックな泣き喚きも凄かったですが、今回はほとんどまともに目を開けず、娘に介抱されるしかない状況です。
ところで、番組の
公式HPにある依子さんの写真は、屋外で撮られたものですよね。 少し目は虚ろだけども、微妙に光がさしている。
ここまでのお母さんとはちょっとちがった表情だと思うんですが、どういう展開でこの表情が見られるんでしょう。

ストーリー上の進展としては、海優が家の引き出しに見つけたもの。 お父さんの浮気相手の調査資料にあった事実、ですね。
その前に、またひと組、可愛い女の子とちょっとだけ二の線から引いた感じの(それでも可愛い)男の子が登場しました。
それと、私は夏帆と滝センパイはゼッタイくっつくとにらんでいるんですが、まだ接近しないなぁ。

お父さんとお母さんのストーリーが、次回あたりから前に出てくるんでしょうか。
恋の喜びに輝きだした娘の彼氏の素性を知ったとき、とくにあのお母さんはどんな反応を見せるんでしょうね。

主題歌がリンドバーグっぽいなと思ってたら、作詞はリンドバーグの人なんですね。


「第4回 砕けた心」(2010年4月30日 0:15〜0:45 NHK総合にて放送)

そうか。 お母さんは湊センパイが海優と同じ高校に通っていることまでは知ってたんですね。
興信所の報告にそこまでは書いてあったわけだ。

さて、前回、海優がお父さんの浮気調査報告書を見つけたところからの続きです。
帰宅したお母さんが、動揺する娘を見てさらに深く動揺。
これまで相手の女の身辺についてごまかしていたことをお母さんに問いつめる海優ですが、
「あの女の息子が自分の娘と同じ高校に通っているなんて、あなたには知らせたくなかったの!」と泣き出すお母さん。
床に散らばった報告書を拾う手を止めての台詞です。 
「あの女の息子が」のところでキッと前を向き憎しみにゆがませた顔の怖さと、
「あなたには知らせたくなかった」と海優を見上げて言う目の、娘に理解を乞うような弱さ。
それと、このお母さんは、独身時代の自分に対するプライドをどこかで引きずっていたんじゃないかな、と思わせるんですよね。
夫の不貞と家庭を壊した女が許せないというよりも、こんな形で自分が負けることが許せない。
別の日に、海優が帰宅すると、夫から送られてきた離婚届を前に酒を飲んでいるお母さん。
「離婚なんかさせない!」と、用紙を丸めて叩きつけるように投げ捨てる様子を見ても、娘のことはあまり視界にないみたいです。
そのへん、海優がお母さんの気持ちになかなか寄り添っていけない距離も感じさせて、この2人のいる風景は私けっこう好きです。

酔いつぶれてテーブルの上に突っ伏したまま寝てしまったお母さんに、海優が毛布をそっとかけてあげる場面では、
娘の母を思う優しさもあるんだけれど、眠る依子さんの顔のアップが、どうかすると高校生役の人たちよりもあどけなく見えて、
そっちのほうにハッとします。 こういうの、やっぱりファンは弱いですねぇ。

今回のポイント。
少子化の影響なんだろうか、教室の、机と机の間隔が広いなぁ!
私が高校生だった頃なんか、1学年10クラス以上あって、しかも縦列10人くらいで狭かった記憶があります。
ゆったり座れるし、内緒ばなしも漏れることはないんだろうけれど、授業中に寝てるとバレバレでしょうね。


「第5回 本当の気持ち」(2010年5月7日 0:15〜0:45 NHK総合にて放送)

全8話中の第5話となりました。

私は今回がいちばん良かったと思います!
8分の5がいちばん良かったということは、単にドラマの世界にハマっているだけじゃないかという声もあるかもしれませんが、
今回は脇の登場人物が充実してましたよね。
滝センパイ、夏帆、美波ちゃんと航くん。
とにかく、今回は周りがみんないい人ばかりだという回でして、ストーリー的には大きな動きはなかったと思います。
(ところで、この滝センパイ、安田顕さんに似てないですか?ルックスといい、役柄といい・・・)

そして、お母さん、晴美さん。 お母さんも今回はじめてお母さんらしい温もりを感じさせましたね。
これまでの4回ぶんでも洞口依子さんのいろんな壊れかたを楽しめましたが、
今回はお母さんが苦悩の裏で娘を思っていることが示されていました。
自室で寝込んでしまった海優を気遣って声をかけるお母さん。
そんな母親に、「ママのほうが大変なのに、ありがとう」と心を配る海優。
疲れをにじませていた表情を、やんわりと、目もとににじんだ涙で氷解させるかのように笑顔に変えてゆくお母さん。
いいお母さんじゃないか!「娘のことはあまり視界に入っていないみたい」なんて書いてすみません。
依子さんの困ったような表情が可愛くて、見ているこっちが困ってしまうくらいで、エプロンの紐が緩く乗ってるウナジの色気も、
生活感だけではなく、そこから少し浮遊/漂泊したような感があって、なに書いているか自分でもわからなくなってきましたが、
NHKさん、ありがとう。
お母さんは「出かけてくるね」と言って去りますが、どこに行くのでしょう。
というのも、次回の予告編ではけっこうよそ行きの格好で映っているんですよね。 お母さんもお母さんの道を見つけたか?
そして来週はついに、娘が自分の憎む女の息子と付き合っていることを知ってしまうようです。
お母さんには、最後は幸せが訪れるのでしょうか?依子さんの笑顔、これから増えていくといいですね。

海優を呼び出した美波ちゃん。海優のためにさりげなく椅子を引いてあげるとは、なかなかいい子です。ちょっと宇宙人ぽいし。
夏帆。滝センパイとの線はワタシの早合点かと思いかけたら、そろそろ動きだしたようですね。
サッカー部。サッカーしてるところが全然出てこないのな。

「第6回 届かぬ思い」(2010年5月14日 0:15〜0:45 NHK総合にて放送)

あぁ、かわいそうになってきちゃいましたね。
第5回がわりとほっこりした温もりのあるエピソードだったぶん、今回は海優の両親(湊センパイのところも)が離婚へ動き出しました。
どこかへお出かけしたお母さん、じつは仇のダンナと戦後処理について話しあっていたとは予想できませんでした。
ということは、前回で海優に見せたあの優しい表情の裏には、きっぱりとした意志が隠されていたんですね。

敵の息子が自分の娘とつきあっているとは夢にも思わないお母さん、「ママはもうパパへの未練は捨てるから、これからは2人で仲良く暮らしましょ」と、
穏やかな笑みを湛えながら話しかけます。 
湊センパイのこれからを気にする海優に、「転校するらしいわよ。あなたと同じ学校からいなくなってせいせいするわ」と率直な気持ちで同意を求めます。
その言葉に顔色一転にわかに掻き曇り動揺したまま飛び出そうとする海優と何事かを察して腕をつかんで引き止めるお母さん。
「あなた、まさかあの女の息子と会ってるの?!」、洞口依子さんの表情と声が徐々に険しさを増してゆき、「会ってる」という婉曲な言葉から、
憎しみが滴るようにこぼれて響く!
腕を振り払おうとする海優を離さずにつかまえて、そのまま平手打ちです。さぁ、ここでお母さんは以前の壊れたお母さんに戻ってしまった。
「どこまで人を馬鹿にすれば気が済むの!あなたまでママを裏切ってたの?!」、どうすることもできなくなった海優は外へ飛び出します。

ここから後半は滝センパイの「いい人すぎる」キャラクターの見せ場です。

この『激恋』、学校をおもな舞台とした高校生のドラマですが、授業の場面が描かれません。
教室は出てきますが、たいていは昼休みですし、映るのは室内の後ろ半分がほとんどで、黒板や教壇の印象が残ってない。
先生も登場していないんじゃないかな。
海優や夏帆の机から見えるのは、教室の後ろ側の入口で、いつも開け放してあります。
先生が出てこない代わりに大人代表として描かれるのがお母さんの姿。こちらは、マンションの閉ざされた一室の中に籠もっています。

この2つの風景と2組の人物は、これまで海優のみを通じて繋がっていたわけですが、ここに来て、海優を慰めている滝センパイとお母さんが出くわします。
これが公式HPにある依子さんの写真の元でして、第3回の解説のところでその写真に触れたときに、「少し目は虚ろだけども、微妙に光がさしている」などと書いた私が馬鹿でした。
これは、娘が(憎きあの息子と同じ高校の)男の子と親しげに話をしているのを見て、なにかの不安をおぼえて近づいてくるその時の顔だったんですね。
海優に「誰なの?」と尋ねる感情を押し殺したようなトーンがカッコいい。
このあたりに、かつて男の同僚と張り合って「バリバリのキャリア・ウーマンしてた」という過去が垣間見えます。
自分よりはるかに年下の高校生に、親の都合で苦しんでいるのは湊も海優も同じ、あいつと親とを切り離して考えてもらえませんか!と頭を下げられ、
さすがにその言葉は痛かったようで、厳しい表情を一瞬だけ海優に向けて和らげ、こっそり手渡すかのように笑みをもらす、この部分が良かったです。
その間、海優が滝センパイの思いやりにずっとウルウルした視線を送っている、そのまっすぐな表情とのコントラストもありました。
次週予告では、ふたたびエプロン姿で今度はよりはっきりと微笑んでいる場面がありましたが、どうなればこのお母さんに笑顔が戻るんだろうか。

「第7回 運命のいたずら」(2010年5月21日 0:15〜0:45 NHK総合にて放送)

第7回。最終回のひとつ前です。
ストーリーのいろいろな流れが収束に向かう段階ですが、この回では最後の最後に大ネタが振られましたね。
第1回目の感想で「あのイケメン先輩ってもしかして海優の・・・????などと、そっちが気になっています」と書いておきながら、
話が別の方向に進んでいったので、よもやそんなことはあるまいとタカをくくっていたんです。
そうしたら、海優と湊センパイのお母さんとの会話で突如浮上した赤い疑惑。

湊センパイに会って、彼も海優と同じかそれ以上に苦悩していたことを理解する海優。
転校を取りやめるよう動こうと決意するセンパイとの間にも、やっと自然に打ち解けた空気が流れます。

前回の予告編で映っていたお母さん・晴美さんの笑顔。仕事を探し、娘とふたりの人生に一歩進みだしたんですね。よかったよかった。
もともとバリバリに仕事をしていた女性であるし、応募先からの電話を受ける声のトーンは明るいです。
電話を切って海優と向き合う表情には新しい生活への不安を隠せないようですが、そんなとき、「ママなら大丈夫だよ」と母親を励ますこの娘は本当に優しい。
お母さんもこのうれしい言葉に救われたような笑みをもらします。

海優の家庭は母親の側を中心に描かれてきましたが、ここにきてようやくお父さんも娘と向き合います。
「お父さんとお母さんは、もう元には戻れない。でも、海優が生まれたことは、お父さんの人生で幸せなことなんだ」という言葉は、
思春期の女の子でなくとも、なかなかすぐには受け入れられるものではないけれど、彼女は健気に受け止めようとしています。
それにしても、お父さん、かつては役者志望だったとは。昔の恋人であった湊センパイの母親とのエピソードに、『カサブランカ』がにじみます。

このあたりで、続く最終回はハッピーエンドへ向けて若いふたりが走っていくのみ!と思っていたら、あと一段、赤い衝撃が待っていました。
さて、海優と湊センパイの恋のゆくえは?晴美さんはもう大丈夫なんでしょうか?そして夏帆と滝センパイはくっつかないのか?

「第8回 この空の向こうに」(2010年5月28日 0:15〜0:45 NHK総合にて放送)

30分の番組中、ドラマ部分は20分。これの8回ぶんなので2時間40分が終了しました。
最後の最後、大団円は屋上で、これでもかというくらい甘〜く〆てくれましたね。
第1回めのオープニング、どんなだったでしょうか?
誰もいない朝の学校の教室や階段が映って、7時15分を指す時計が映って、両親の不和から逃れるように屋上で音楽を聞きながらひとり寂しく佇む海優の姿でしたね。
そしてラストは、家庭の崩壊を受け止め乗り越えた海優が、今度は湊センパイと一緒に同じ屋上で笑い合って、空が包み込むように2人の上にある。

自分とセンパイはもしかしたら兄妹かもしれないと告げられた海優はショックで塞いでしまっています。
そんな彼女に、なにげない笑顔でいつもそばにいてくれる夏帆と、さりげなく言葉をかけてくれる滝センパイ。
少しずつ気持ちを整理させていった海優は湊に手紙を書きます。
「パパとママが出会わなければ私も生まれなかった。いまは、事実がどうだとしても受け止めます。センパイに出会ったことを後悔したくないから」
それを読んで決意し、父親にDNA検査を求める湊センパイ。
海優の毎日にもようやく穏やかな笑顔が戻ってきた彼女の誕生日、夏帆に呼び出されて屋上へあがってみると。

私が富士真奈美ばりに詮索していた「夏帆と滝センパイの関係」については、かなりグレーで当確とまでは言いきれませんが、
なんかいい感じにつながりそうな気配で終わりました。
衝撃の展開に、海優のお父さんがうろたえてお母さんが壊れるかと身構えていたんですが、海優は両親に言わなかったようですね。

お母さん。晴美さん。今度こそやっと本当に落ち着いて娘との生活をスタートできたようです。
これまで微笑みの後ろにどこか不安の翳が覗いていたのが、朝食の席でも自然な口調で元夫のことを話題に織り交ぜるくらい落ち着いています。
やっぱりこういう風景には日本人なら朝のお味噌汁ですね。
洞口依子さんは、ほとんどマンションの室内で、荒井萌さんの前でキレたりいたわったり、そして逆に慰められたり、
おそらく娘に初めて見せる母親の弱さや烈しさを演じてきたので、この食卓で海優と向き合ってなんでもない会話を交わすお母さんの柔らかい笑顔を見て、
この人も娘と同じくらい大変だったなぁ、前に進んだんだなぁと実感。
両親の離婚の話は、思春期の恋と対比した大人の泥沼の愛憎が描かれるのかと最初予感したんですが、お母さんが海優の心の成長を映す鏡でもあったんですね。


2010年4月9日〜2010年5月28日 0:15〜0:45 NHK総合テレビにて放送
みなづき未来 原作
横田理恵 脚本
一色隆司 演出

出演
荒井萌 渡辺秀 蕨野友也 広瀬アリス
増山加也乃 冨田佳輔 
洞口依子 風間トオル とよた真帆 
飯田基祐

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