『メレンゲの気持ち(1998年3月14日放送 ゲスト・梅宮辰夫 洞口依子)』(1998)

(当サイトは洞口依子さんのファンサイトです。この記事も番組中の依子さんについて書いたもので、番組自体についてではありません)

もう10年前のオンエアということになるわけですが、いま見直してもさほど違和感をおぼえませんでした。
ゲストの梅宮辰夫さんが、父娘でいろいろワイドショーのネタを提供していた頃とあって、
その話題にも触れられており、そのへんにちょっとした懐かしさを感じるくらいで、
ネタをいじるポイントやレギュラー/ゲストの扱いなどは最近のバラエティー番組とほとんど変わっていません。

この回のゲストは梅宮さんと洞口依子さんの2人です。
どうあっても、話題は一回梅宮さんを通過するか、最終的に梅宮さんに落ち着くのはしょうがない。
依子さんは、大先輩の昔の武勇伝に感心したり、手料理に小躍りしたりしています。

「メレンゲ写真館」のコーナーで、依子さんの子供時代の写真が紹介されます。
これがあの『子宮会議』の巻頭を飾ったお母さんとの写真。
久本さんからも、「カメラをにらんでますね〜」とツッコまれています。
「そうなんですよ。カメラが嫌いで、カメラを向けるとこんな顔をする子供だったんです」
「えぇっ、じゃ、お遊戯会のときなんかは、どうだったんですか?」
「一人だけみんなとちがう動きをしたり…」
このエピソードはファンにはすでに何度も見聞きしたものですが、さらなる例を知りたくなります。

そんなカメラ嫌いの女の子だったのが、高校に上がる頃に、友達とノリで応募した『週刊朝日』の表紙モデル選に合格。
篠山紀信先生との出会いを通じて、さまざまな世界の大人たちから、女優になることを勧められた逸話。
スタジオには、大きなパネルに拡大された、最初の『週刊朝日』の表紙写真が持ち込まれます。

梅宮さんの若かりし頃の写真がやはり紹介され、当時のモテ話、さらに伝説の六本木野獣会でのケンカの話。
女性関係についてもヤンチャについても、当時は人目をはばかることはなかった、と梅宮さん。
ひとつは、パパラッチが今ほどいなかったから。
もうひとつは、映画のお客はお金を払って観に来るものだから、嫌いならお金を払わなければいい。
映画界とテレビ界には、まだまだ隔たりがあった。
そう思っていたから、プライベートでまでお茶の間のご機嫌をうかがいながら生活する気がなかった。
仲間内でも、テレビでレギュラーの仕事がある人は、そのへんに気を配っていた。
このお話は説得力があります。というより、今の芸能人が素顔に価値を置かれすぎ。
梅宮さんのお話に笑みを浮かべてうなずいている依子さんも、銀幕の伝説というものを尊重する人なので、
こういう時代のエピソードには聞き耳を立てるのでしょう。

海外旅行のエピソードを語る2人のゲスト。
梅宮さんはなんと言っても「世界を釣る!」の旅。
松方さんとのコンビで全長5メートルのカジキを5時間の格闘の末に制した話を披露。
依子さんは、『ウルルン滞在記』でホームステイしたネパールの山村について。
トイレや風呂が思うように使えず苦労した話。
ここはもうちょっといろいろ聞きたかったですが、局もちがうし、詳しくはこちらのページをお読みください。ほぼ完全にフォローしてます。

次に、依子さんのコレクションを披露。
これがセサミストリートのカーミット・グッズ!
東急ハンズで蒐集したとの品々をワゴンいっぱいに並べて、一個一個をうれしそうに説明します。
アンティークのカーミットがいちばん「偉く」、名前を「カミ」様と呼んでいるとか。このへんのセンスは今も変わらず、ですね。
カーミットの開いた口に向かってしゃべる電話機は、実際に家で使用していたものだそうです。
さらに、カチンコを持ったカーミットが声で目を覚ましてくれる置時計。どっちかというとこっちがほしいです。
電話は、なんかしゃべりづらそうですよ。
さらに、番組から依子さんへ、非売品のカーミット・テレカにカーミット腕時計のプレゼント。
満面笑みの依子さんの隣りに、それまで「いいオヤジがそういうものに興味を示せない」と腰を浮かさなかった梅宮さんも、
「なに?それ、時計なの?」と会話に入りに来ます。

ここからあとの展開は、辰っつあんワールドです。
スタジオに5〜6種類の貝類を用意して、なんと貝づくしでちらし寿司を料理します。
「梅宮さんは、おうちでも計量スプーンを使われるんですか?」と依子さんが質問。
「いや、家ではつかわないね」とご飯を切るように大振りにまぜながらも、ちっとも大雑把に見えないその手つきからして美味です。
カッコいい答えを引き出す、いい質問でしたね。
3月のオンエアとあって、見た目も春らしいにぎやかな色合いで、おそらく酢と貝と出汁のにおいがスタジオ中に漂っていたのでしょう、
こういうときの依子さんは食への貪欲を隠せません。それは後年の『おしゃべりクッキング』でも立証ずみ。
「あ〜、洞口さんがこわれてゆく〜」と久本さんにツッコまれるくらい、まるで憧れのスタアに会ったかのように目をうるませます。

できあがった特製貝ちらしを味わいながら、梅宮さんの「父娘」ばなし。
「梅宮さんなら、孫が生まれたら離乳食も自分で料理しはるんちがいますか〜」との久本さんの言葉に、
依子さんも笑い転げています。

そして、この収録のすぐあとに還暦を迎えるところだった梅宮さんのため、番組から赤いチャンチャンコの贈呈です。
それを着ての記念写真。
チャンチャンコを着た梅宮さんと並ぶ洞口依子さんの写真。
よく考えたら、よくわからない一枚だなぁと思いますね。


1998年3月14日(土) 12:00〜13:00
日本テレビにて放送

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