〜洞口依子さん2011年のお誕生日に〜


3月18日です。
今日はこのページで、洞口依子さんのお誕生日をお祝いしたいと思います。

お誕生日おめでとうございます!

オモシロイもので、誕生日というのは、どこの国でも、「おめでとう!」と祝うことになっています。
自分以外の誰かが一つ歳をとることをお祝いする。
生まれたばかりの赤ちゃんにではなく、中年のおっさんにも、入れ歯のそろったおじいちゃんにも、「おめでとう」です。
なにがめでたいんでしょうか。
あなたとこうしている1年が、また新しく移ってゆくことを、私はとてもうれしく思っています、よかったね、
そういう思いでしょうか。

でも、そんなふうにお祝いされると少し照れくさかったりするもの。
気の置けない友人にその日だけ持ち上げられるようで、やっぱりくすぐったい。
言うほうにも、言われるほうにも、そこに喜びが小さく芽吹く、そのこそばゆさなのでしょう。

3月生まれは、春を連れてくる役目を持った人なのだそうです。
依子さんの書かれた『子宮会議』の終盤には、穏やかな春の風景を慈しむ描写があります。
読む人にとって、それは依子さんが開けてくれた窓の向こうに広がる世界です。

そんなふうに、依子さんにしかできないやりかたで、1年、また1年と、のら猫の足跡をつけていってください。
そこに共感して涙する人、はじけるように笑みを浮かべる人、
オロオロと右往左往しながら喜ぶ人。
それぞれがそれぞれに持っているであろう、「洞口依子でないと届かないんだよな〜」という淵を、
やさしくて残酷で昼のようで夜のような、その光で照らしてください。

寒く厳しい冬がまだ終わりきっていない、そんな今年の3月18日です。でも誰の心も、もう春を待ちわびています。
今年の依子さんのお誕生日のことを、きっと私は長く忘れることがないと思います。

洞口日和