映画『ウクレレ PAITITI THE MOVIE』公開イベント@UPLINK 渋谷(2010年9月18日)



音楽と笑顔が会場から飛び出ていきそうな、爽快で楽しいイベントだった。

映画『ウクレレ PAITITI THE MOVIE』のDVD発売を記念しての上映。
その初日を、パイティティが、なんと巻上公一氏をスペシャル・ゲストに迎えてライヴで飾るという、驚きと素敵でうれしくなっちゃうオープニング企画。

そういえば今回の映画公開に伴うイベントには、巻上氏参加以外にも「なんと」と驚かされるものが多い。
なんと、冨永昌敬監督が!(9/22)
なんと、山田五郎氏が!(9/30)
なんと、関口和之氏が!(10/1)
なんと、特製ウクレレ1本が!(連日劇場で応募)
*詳しくは映画特設サイトで。

巻上氏と上の3氏の名前を連ねてみても、「なんと」としか言いようがない。
映画では巻上氏、関口氏とともに、黒沢清監督のインタビューが要所要所をしめる。
パイティティを初めて知る人には、當間早志監督のインタビューやふんだんに盛り込まれた沖縄での映像も「なんと」のひとつかもしれない。
この「なんと」が、映画『ウクレレ』を見てると「なるほど」に変わってゆき、この夜のライヴでは音楽に姿を変えて弾けとんでいた。

イベントがおこなわれたUPLINK FACTORYという場所もまたよかった。
70席ほどの小さなスペースながら、デイヴ・リー・ロスならジャンプするまでもなく頭をぶつけそうな低めの天井は、さながらライヴハウス。
このステージにベリーダンスのプラハ嬢が体をくねらせながら舞い現れると、それだけでパイティティのかもし出す妖しい空気が一気に増幅する。
そこへ持ってきて登場するのがあの巻上公一氏だからたまらない。
常々パイティティがカヴァーしている「パイク」はもちろん、やはりヒカシュー初期の「20世紀の終わりに」まで飛び出す!
口琴(ジョーズ・ハープ)、コルネット、そして「マイ・ネーム・イズ・ダン」での変幻自在の声と、
巻上氏の振り撒くあやかしの音にパイティティが驚嘆しながら大喜びで組してゆく、その音の嬉しさで会場が満たされてゆくような、楽しいセッションだった。

それはそうと、ライヴでは石田画伯のマイクスタンドの安定があまりよくなくて、ぼくは「ビートルズ in 武道館」のレノンを思い出したのだけど、
そこからさらにもうひとつ、結びつけてしまった名前がある。
そうだ、そうなんだ。
ウクレレが大好きで、楽園を夢見て、モンティ・パイソンが好きで、スライドもあるよとなると、ジョージ・ハリスンのことを考えずにはおれない。
彼が参加した「覆面バンド」のトラヴェリング・ウィルベリーズってのも、パイティティ・エアラインズに通じるものがあるな。
ジョージがパイティティを聞いたら、関心を示したんじゃないだろうか。

映画『ウクレレ』をスクリーンで観たのはこれで2度目。いろんなことを感じさせてくれる映画だと思う。
今回は、音楽とか映画とか、もちろん友人や家族とかも、自分にとって大切なものを忘れずにずっと持ち続ける人たちの輝きを感じた。
それは決してたやすいことではないということも、ここには描かれている。
だからこそ、宝探しのように海中深く潜って1本のウクレレをわっしと掴まえる洞口依子さんの姿や、
ギター小僧丸出しの石田画伯の昔の写真やウクレレを弾きまくる現在の彼の姿があって、
そんなこんなで映し出されるウクレレ・デュエットの場面を見ていると、胸がいっぱいになる。
「ラヴリー・ガーデン」のシンプルで慎ましいメロディーの美しさは、彼らが失わずに持ち続けているものが放つ輝きでもあると思う。
それはきっとこの映画を見たぼくにとって忘れられないものになるだろう。

すてきなイベントだったなぁ。
(あ、ところで映画の中で出てくる、ヨーリー&画伯の、あれ、松の湯の「ケンちゃんと浜さん」ですよね?)


*このイベントはhttp://www.ustream.tv/channel/paititiで視聴可能です。


クリックして、映画『ウクレレ PAITITI THE MOVIE』特設サイトへGO!


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