『クレイジーケンバンド サウンドマシーン・メイド・イン・ヨコハマ』(2003)



横浜が誇る鉄壁のサウンドマシーン、クレイジーケンバンドを、渋谷公会堂(当時)でのライヴを中心に追った
番組で、放送とともに反響を巻き起こしました。
ファンはもちろん、そうでない人、とくに、CKBに興味あるけど触れたことがないという
音楽ファン(2003年当時、けっこういました)の多くをノックアウトしたという、伝説の番組でもあります。
いまだに、ファンのあいだでも語り継がれています。これを見てファンになったという人を、私は知っています。

ちなみに、例の「タイガー&ドラゴン」は、彼らの曲が先にあって、クドカンはそこからドラマを作りました。
ま、それも凄い話だけど・・・
私は2000年のアルバム『ショック療法』前後から聴いた、わりとフツーのファン。
聴いた瞬間、「21世紀のイアン・デュリー&ザ・ブロックヘッズだっ」と興奮したのをおぼえています。

ところでなぜ彼らがこのHPに登場するかというと、いくつか理由があるので、オレの話を聞け。2分だけでもいい。

まず、メンバーの中に「洞口さん」がいること(笑)
いやいや、これはけっこうディープな世界で話題になったんですよ。
ベースの洞口・ダックダン・信也さんですね。ただし、こちらは「ほらぐち」さん。
ある雑誌に連載されていた「CKB in DEEP」というコーナーでこのお名前を拝見したときは吃驚しました。
ま、ほかにもいろいろあったみたいですしね。うふふ。(*^m^*)

それから次に、ってこっちが先に来るべきなんですが、ナレーション担当が洞口依子さんです。
このことについて、たしか依子さんもブログで触れられていたと思うんですが、要はファンなんです。

ここでの依子さんのナレーションはちょっと毛色が変わっていて、すごくシリアスなトーンで語られているんですね。
ドキュメンタリー・タッチとでもいうのか。
これ、最後まで見ると、1時間半の長〜い前フリだったことがわかって爆笑なのですが、さすがにそれは書きません。
ふつうに喋り声だけ聞いても、依子さんのお声は落ち着きがあって色っぽいのですけど、
ここではさらに「色」をつけて、もったいぶった調子も交えつつ、どこまで本気で身構えていいかわからない感じです。
この真剣に遊んでる感じ、つかみどころのなさって、クレイジーケンバンドの世界と調和するんですよね。

ちょうど、番組全体のテンポが、このバンドの「(ラテンっぽく)裏拍刻みながら(和風に)表拍で乗る」ユニークなグルーヴ
(実際にMCで「表で乗ってください!」と呼びかけるところがある!)で絶妙に貫かれていて、
依子さんのナレーションはその乾いた感覚でもって、このグルーヴと、気づかれずに併走して踊っている感があります。
とくに、愛子チャン(コーラス)のプルンプルンの立ち居振る舞いに目が奪われる感じでステージが終わり、
そこに依子さんの超低温演技のお声がバシッと入ってくると、
「おわっ!先生に見られてたのか!」とドキドキしてしまうという、いったい何を書いてるんだ、俺は。

しかし色気のあるバンドです。
なにがすごいって、ジャズだのボッサ・ノヴァだのサンバだのファンクにラップにロックンロールに歌謡曲に
なんでも闇鍋状態になってるんですけど、どれも一番いかがわしくエロティックな匂いのまんま煮込まれてること。
で、アクがすごいだろうと思って掬ってみるんですけど、意外とスッキリとまろやかでさえある。
この澄んだ味わいは、志の高さなんだろうなぁ、ニクイなぁ。

残念ながら、私には横浜がどうこうということはわからなくて、同じ港町でも神戸ではなく、尼崎までスライドさせて受け止めてます。
でも、これはやっぱり、「メイド・イン・ィヨコハマ」の感覚なんでしょうね、きっと。
ゴールデン・カップスと同じ匂いがする。

ヨーリー・マニアが見ておきたいポイント、最後の一つ。
プロデューサーが「カッパくん」。これが一番のポイントかもしれませんね。
イイネっ!

2003年9月20日(土)25:30-27:00
NHK BS2にて放送



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(「洞口日和」)