管理人よりご挨拶


『ドレミファ娘の血は騒ぐ』で(正確にはそのポスターで)洞口依子さんのお顔を初めて拝見したのは、
1985年、高校3年のときのこと。

伊丹十三監督の作品や、TVドラマ、CM、そして黒沢清監督の作品を経て、
最近ではウクレレ・ユニット、Paititi(パイティティ)のミュージシャンとして、
洞口依子さんは強い個性と存在感を放ち続けています。

映画が始まり、物語がスタートすると、観客の目と耳は、
そこに登場する未知の人々を見分け、彼らの関係性を把握しようとし、
どんなことが、どんなふうに語られるのかを見きわめようとします。

多くの映画は、できるだけ観客を惑わせず、(映画の流れとして)自然に、
あるいは故意に不自然に、導こうとします。

ところが、そうした流れの中に、洞口依子さんの姿があると、
まるで川のせせらぎにひとつだけ岩があるかのように、
そこで流れがいったん分岐したり、
いくつかの水は飛沫となってそこで砕け散ったり、
映画の流れに不測の波紋が呼び起こされるのです。

そのときに、私は、どのくらい長くかはわかりませんが、
そこまで見てきた映画について、
人間関係、人物の性格、あるいは物語そのものさえも、
ひょっとして自分は誤って解釈しているのではないか、
という不安感をおぼえます。

洞口依子さんの存在は、映画の中に設ける定点をブレさせるのです。
彼女がそこにいることで、映画が幾重にも層を織り成してゆく。
私にとって、そんな女優は世界中で洞口依子ただ1人です。

このサイトでは、あくまで、
女優として、ミュージシャンとしての依子さんの魅力について
語っていきたいと思います。

依子さんがここ数年プライベートで直面された問題については、
依子さんのブログ「 のら猫 の独り言『のら猫小路日記』
」に、
拙文などより、はるかに血肉化した素晴らしい文章で綴られています。
だから、ここでは触れません。

ただ、女優として、洞口依子さんにはまだやり残していることがあるし、
洞口依子さんによって演じられるのを待っている役柄は、
これから、どんどん増えていくはずです。
洞口依子さんにしかできないことは、山ほどあります。
だからこそ、何ものも依子さんを連れ去ることはできなかったのだと信じています。

一介のファンにできるのは、ただ応援することだけですが、
応援が形になればと思い、このサイトを立ち上げます。

2007年3月18日 夢影博士 (メールは、
yorikofans@yahoo.co.jp





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